ハイクラス採用こそ、AIを。期待を超える対話を生む選考設計——エンの中途採用 AI面接活用事例
ポイント
- AI面接を合否判定ではなく「事前ヒアリング」に活用し、人事面接の冒頭から本質的な対話を実現
- AIと人間の役割分担により、候補者の理解度と選考体験が向上。ハイクラス層からも好意的な評価
- 書類だけでは見抜けなかった候補者の熱意や思考力を可視化し、「隠れた逸材」を最終面接へ発掘
ハイクラス層の中途採用は、専門性が高いからこそ書類だけでは候補者の本質が見えにくい——そんな課題を抱える採用担当者は多いのではないでしょうか。エン株式会社では、ハイクラス人材を対象とした中途採用の選考プロセスにAI面接を導入。事前に候補者の思考や経歴の深堀りをAIに任せることで、人事面接の質を大きく変えることに成功しました。本記事では、AI面接の導入背景から具体的な成果までを、実際に担当した高橋さんへのインタビュー形式でお伝えします。
1. ハイクラス採用の現実——面接の冒頭30分が無駄になっていた
ー高橋さん、今日はよろしくお願いします。エンの中でも特に難易度が高いハイクラス層の中途採用をご担当されていますが、AI面接を導入する前、採用現場ではどんな悩みを抱えていたのでしょうか。
高橋さん:実は、採用チームの中でずっと「ある悔しさ」を抱えていたんです。ハイクラス層の候補者というのは、経験がフィットしているかはもちろん、面接官が自分の経歴や強みを深く理解してくれているかどうかを、対話を通じて非常にシビアに見極めています。「企業が自分にどれだけ本気か」を測っているんですよね。
しかし、現実はなかなか厳しいものがありました。
ーどういうことでしょうか?
高橋さん:ハイクラス層の方ほど、職務経歴書をあえて簡潔にまとめる、あるいは特命事項など書類上では詳細な判断が難しい記載をしている傾向があります。専門性が高すぎて、書類上の情報だけでは私たち人事の面接官が事前に準備しきれないんです。結果として、せっかく多忙な候補者の時間をいただいたのに、面接の冒頭は決まって「経歴の基本確認」から始まってしまう。
「書類に書いてあることの繰り返しですね」という空気を察してしまった時の、あの何とも言えない悔しさは今でも忘れられません。本来議論すべき「事業への視座」や「成果を出すための再現性」に到達する前に時間が過ぎてしまう。これは採用効率の問題というより、候補者体験を損ねているという大きな損失でした。
私たちは「いかに候補者の本質を事前に言語化し、最初から期待を超える対話ができるか」を模索していました。そんな時、手段の一つとして検討したのが「AI面接」だったんです。

2. 「事前ヒアリング」をAIで。AI面談という選択
ー「効率化」ではなく「質の向上」のためにAIを入れた、ということですね。具体的にどんなフローで導入しましたか?
高橋さん:まず、AI面接を「合否判定の場」ではなく、「人事面接前の事前ヒアリング」として位置づけました。名称もあえて「AI面談」とし、候補者には「人事面接は確約します。その前に、面接官があなたのことをより深く理解するための事前ヒアリングとして、AI面談を受けてください」と伝えています。
【選考フローの変化】
|
ー導入前、「AI面談はハイクラス層の候補者から敬遠されるのではないか」という懸念はありませんでしたか?
高橋さん:もちろん、一番の懸念でした。ですが、導入後に実施した候補者アンケートの結果を見て、その不安は払拭されました。
【候補者アンケート:AI面談の満足度は?】
|
ー好評の声が多いですね。
高橋さん:候補者が好意的に受け取ってくれた理由として、事前の説明が大きかったと思います。「これは合否を決める選考ではなく、人事面接をより良くするための事前ヒアリングです」と伝えていたので、候補者が身構えずに自分の言葉で話せた。加えて、AI面談は候補者がじっくり考える時間を待てるので、「自分の考えを整理して伝えられた」という満足感につながったのだと思います。
導入前は「AIは冷たいと思われるのでは」と心配していましたが、実際には「候補者が自分の経歴を丁寧に届けられる場」になっていたんです。
3. AI面談の事前ヒアリングがあるだけで、人事面接はここまで変わる
ー実際にAI面談を経た候補者と人事面接をしてみて、変化はありましたか?
高橋さん:面接官の「準備」と「対話」の質が劇的に変わりました。以前は60分の人事面接のうち、前半の30分は「どんなキャリアを歩んできたのか」という事実確認で終わっていました。しかし、今はその時間をAIが代替してくれています。
面接開始前にAI面談による事前ヒアリングの内容を確認。その候補者の強みや入社後に活躍できそうかの仮説を立てます。そうすることで、面接では着席した瞬間から「なぜその判断をしたのか?」「その事業で直面した課題の本質は何だったのか?」という、思考の深掘りからスタートできるんです。

ー視覚化すると一目瞭然ですね。これなら、候補者も「自分のことを深く理解してくれている」と感じられそうです。
高橋さん:そうなんです。事前の情報密度が全く違うので、面接の「密度」が段違いに濃くなりました。AI面談導入後、アンケートでも「面接官はあなたのことを理解してくれたと感じましたか?」の点数が上がりました。面接官としても、最初から核心の話ができるので、面接自体が面白くなったと感じています。

4. 書類選考では「不合格」だった人材が最終面接へ。AI面接で見つけた「隠れた逸材」
ー驚いた事例として「書類選考では不合格相当の候補者が、AI面接ですくいあげられた」という話を伺いました。詳しく教えていただけますか。
高橋さん:ある転職サイト経由の候補者の方でした。サイト上の職務経歴だけを見ると、内容が薄く判断できませんでした。今までの選考フローであれば、面接キャパシティを懸念し、書類段階でお見送りになっていたでしょう。
そこで、書類だけでは判断しきれないと感じた方には、合否判定ありのAI面接を受けていただくことにしました。すると、全く違う顔が見えたんです。転職サイト上の薄い情報では見えなかった、新規事業に対する圧倒的な熱量と、困難を突破する思考能力が、回答の端々から伝わってきました。
ーまさに「書類の壁」を突破したわけですね。
高橋さん:そうです。結局、その方は最終面接まで進みました。もしAI面接がなければ、出会うことすら叶わなかったはずの「隠れた逸材」です。書類選考の壁を突破し、真のポテンシャルを見抜くという意味で、AIはこれ以上ない武器だと確信しました。
おわりに:AI面接は、面接官が「本質的な対話」に集中するためのパートナー
ー最後に、これからAI面接を検討している方へメッセージをお願いします。
高橋さん:AI面接というと、「工数削減には使えそうだけど、候補者からの印象が悪そう」というイメージを持たれる方も多いと思います。正直、私も最初はそうでした。でも実際に運用してみると、使い方次第で候補者の選考体験を向上させることもできると気づきました。
鍵になるのは、AIと人間の役割分担です。AIが事前に丁寧にインタビューをして情報を集め、人間がその情報をもとにより深い対話を担う。この棲み分けができると、面接の質は大きく変わります。
これからAI面接を検討する方に伝えたいのは、「とりあえず導入」は失敗しやすい、ということです。自社の採用課題に対して、AI面接をどのプロセスにどう組み込むかという「設計」と「試行錯誤」。私たちもまだ試行錯誤の途中ですが、そこから逃げないことが大事だと思っています。
取材後記
今回のインタビューで最も印象的だったのは、AI面接を「効率化のツール」としてではなく、「人間の面接をより良くするための準備ツール」として活用している点でした。書類だけでは見えなかった逸材を発見できたというエピソードも、AI面接の可能性を改めて感じさせてくれるものでした。貴社のハイクラス採用でも、こんな使い方ができるかもしれません。
エンでは他の採用ポジションにおいても、AI面接を積極的に活用しています。詳細はこちらをご確認ください。
👉 採用工数48%削減!AI面接を使い倒す実践ノウハウ集——エンの中途採用事例(事務・アシスタント職編)
👉 ESよりAI面接の方が、受検率も移行率も高かった。——エン新卒採用 AI面接導入の全貌と正直な失敗談
エンPeopleXのAI面接について
AI面接に興味のある採用担当の方は、エンPeopleXにご相談ください。エンがもつ採用ノウハウと、アバターによる自然な対話が特徴のAI面接を組み合わせ、貴社に最適な選考フローをご提案します。